扇子の正しい持ち方

夏の暑い季節には、持ち運びに便利な扇子が手放せなくなるものです。扇子はうちわと違い、コンパクトに折りたたんで携帯でき、いつでもどこでも便利に涼をとることができます。

また、涼をとるだけでなく、茶の湯や落語、日本舞踊などあらゆるシーンで社交用アイテムとしても活用されています。

こうした背景から、独自の持ち方やマナーなどができ上がっていった「扇子の正しい持ち方」をご紹介します。

親骨や要の部分を持とう

扇子を持つ際は、なるべく扇面には触れず、親骨や中骨、要と言われる堅い部分を持つようにしてください。ちなみに親骨は両端の太い骨、中骨は両端の親骨の中間にある数本の薄めの骨、要は骨をまとめてある部分を指します。

直接扇面に手で触れてしまうと、手垢が付いたり指で破いたりして、破損や傷みを招く可能性があるためです。どうしても触れる必要がある際は、やさしくそっと手で添える程度にしておきましょう。

男女で持ち方が異なる

開いた扇子を持つ際は、男女で持ち方が異なることをご存じでしょうか。男性の場合、要の部分を握るように持ち、親指を見せるように表側にするのが正しい持ち方と言われています。

一方、女性の場合は、親指を見せないよう裏側に、手の甲を表側にして四本の指と裏側の親指で挟むようにするのが正しい持ち方と言われています。

儀式用のモーニング扇子、金銀扇子など、持ち方が雑になると扇子の寿命を縮めることにも繋がりかねません。手元を美しく優雅に魅せる扇子の正しい持ち方をマスターしておくだけで、お気に入りのアイテムが長持ちします。